展覧会評が掲載されました(執筆:福岡市美術館 正路佐知子氏)
パラダイスツアーのご案内(ガイド:坂﨑隆一)
2020年になりました。
「坂﨑隆一展 裏を返せば」は、高校生アーティストたちの作品が充実度を増し、展覧会がにぎやかになってまいりました。
とはいえ、会期はいよいよ1月19日まで。
最終日である1月19日に、クロージングイベントとして坂﨑隆一のガイドによる「パラダイスツアー」を行います。
未見の方、寺尾野温泉がディープすぎで辿り着けなかった方、縁屋での高校生の完成作を見ていない方、ぜひお集まりください。
★パラダイスツアー★
日時:1月19日(日)14:00(2時間程度)
場所:坂本善三美術館集合。その後、坂崎の案内のもと、町内各所をめぐります。
ツアー終了後は、展示会場でもあるカフェ「縁屋」にてクロージングお茶会を行います。坂﨑さんや高校生アーティストを交えながら、展覧会を振り返りたいと思います。
クロージングお茶会の後は、もう一つの展示会場でもある「まんま」での夜の部へと流れていくと予想されます。お時間の許す方はぜひそちらも。
マスキングテープアートワークショップ開催 12/27
マスキングテープアーティストの横井岬さん(小国高校1年生)による、マスキングテープアートワークショップの開催情報、ついに公開です。
岬さんの生みだす誰にも生み出せないフォルムの人物を、みんなでマスキングテープで描くワークショップです。
1m四方の大きなパネルを2枚用意してますので、たくさんのご参加をお待ちしています。
マスキングテープを張ることによって絵ができあがっていくので、作業自体には絵の得意不得意は全く関係なく、老若男女どなたでも参加可能です。
そんな誰にでもできる技法でありながら、岬さんの作品には細かいこだわりや、それが生み出すエッジのキレなどがあって、そこのところが見れるのが私としては楽しみです。
また、ワークショップに向けて、ご家庭に眠っている不要なマスキングテープを集めます。当日はマスキングテープを持ってご参加ください。もし当日は来られない方も、マスキングテープ提供だけの参加も大歓迎です。縁屋に回収箱がありますので、ついでの際にお届けください。
マスキングテープアートワークショップ
日時:2019年12月27日(金)
11:00-19:00(時間内随時参加可能 作品完成次第終了)
場所:カフェ縁屋 (小国町宮原 役場そば)
参加:参加費無料・申し込み不要
不要になったマスキングテープをご持参ください。
公開制作はじまっています☆高校生アーティスト
カフェ縁屋に展示されていた1m四方の真っ白なパネル。
高校生アーティスト佐藤太一君の公開制作作品「ひまつぶし」が、いよいよスタートしました。
作品は、非常に緻密。大きなパネルがこの先どうなっていくか目が離せません。
もし縁屋に行ったときに太一君が絵を描いていたら、大人のみなさんはどうぞコーヒーをご馳走してあげてください。太一君が好きな時に飲めるようにツケておいていもいいですよ。
高校生アーティスト紹介 ⑥
カフェ「縁屋」では、ワークショップも開催予定です。
制作者:横井 岬(小国高校1年)
作品名:マステワークショップ
詳細は近日中にwebにて公開
小国高校唯一の、否、小国町唯一のマスキングテープアーティストの横井岬さんは、自分で作品を作るだけでなく、次のような構想を持っています。
「マスキングテープっていろいろもらったりするんですけど結構使わないで家に余ってるじゃないですか。それをみんなに持ってきてもらって、みんなで作品作ったりしたいなーと思って。」
近々、小国町宮原のカフェ縁屋で岬さん主催のマステワークショップが開かれます。
みなさんマステを用意して開催情報をお待ちください。
坂﨑 隆一
高校生アーティスト紹介 ⑤
坂﨑隆一が愛してやまない秘湯「寺尾野温泉」ではこちらの作品が。
横井岬(小国高校1年生)
タイトル:「クレオパトラ」(マスキングテープ・紙)
横井岬さんによるこの作品は、マスキングテープでできています。タイトルどおり、絶世の美女「クレオパトラ」を描いています。
一見誰にでも作れそうな感じはしますが、「必ず手でちぎる」「エッジに合わせた形にちぎる」「イメージに合ったマステを選ぶ(あるいはマステによって造形を選ぶ)」など、かなり細かいこだわりと技で制作されています。
しかし何よりいいのはこの屈託のない造形。想像を超えた絶世の美女に思わず釘付けになってしまいました。
これは岬さんにしかできない。
ところでここ寺尾野温泉は、僕が小国で最もぐっときた温泉の一つです。温泉の男湯と女湯にはそれぞれ異なるバージョンのクレオパトラが展示されています。決して別バージョンを見ることはできないというジレンマが、絶世の美女らしい展示だと思います。
坂﨑 隆一
高校生アーティスト紹介 ④
続いて「居食屋まんま」の展示より
佐藤太一(小国高校3年)
タイトル:「signo」(インク・紙)
「縁屋」にて「ひまつぶし」を公開制作予定の佐藤太一君。
この作品は、太一君に初めて見せてもらった時にすっかり釘付けになった作品です。太一君はsignoというボールペンが大好きで、使い切りそうになっているsignoのインクでどこまで描けるかひまつぶしにやってみたのがこの作品だそうです。唐突な余白を残して途中で終わっているのはインクがなくなったところ。恐ろしく集中力を必要とする「ひまつぶし」に熱中する太一君に敬意を表します。
使い終わった本体も捨てきれないで取っているほどのsigno好きに敬意を表して、作品タイトルは「signo」です。
坂﨑 隆一
高校生アーティスト紹介 ③
カフェ「縁屋」の展示より
佐藤太一(小国高校3年生)
タイトル:「ひまつぶし」(公開制作)
佐藤太一君は、小国高校でも絵の得意な人として知られています。先日の小国高校文化祭ポスターコンクールでも堂々の一位を獲得。「絵のことなら太一に聞け」とみんなが思っているような印象を受けました。
太一君のこれまでの作品を見せてもらったところ、異様に細かいモチーフが増殖しながら画面を埋め尽くそうとしている小さな作品がありました。詳しく聞くと、どうやらsignoというボールペンが大好きで、使い切りそうになっているsignoのインクでどこまで描けるかひまつぶしにやってみたそうです。この作品が途中で終わっているのはインクがなくなったところ。絵の混み具合と突然の余白がおもしろいなと思いました。
そこで太一君には、展覧会期間中好きな時にふらりとここにやってきて好きなようにsignoで描いてもらいたいと思いました。
なので、この作品は期間中増殖し続けます。画面の途中で終わったとしたら、インクがなくなったか、時間がなくなったかだと思います。でも本当は、太一君のアーティスト魂で終わりが決められているのかもしれません。
坂﨑 隆一
高校生アーティスト紹介 ②
カフェ「縁屋」の展示より
佐藤那哉(小国高校3年生)
タイトル:「ラフスケッチ」 インク・紙
佐藤那哉君は、ホッケー部に所属して大活躍しています。僕が1日裏入学した3年1組の同級生でした。
バリバリの運動部の彼ですが、小学生のころから絵を描くことや裁縫などが得意なのだそうです。僕は絵は苦手ですが、服を作ったりしていたことがあるので、親近感を覚えます。
小国高校のホッケー部は、常に全国レベルの試合をしていて、先日の大会でも全国大会への出場権を獲得しています。
そんな部活で忙しい中、ちょっとでいいから参加してよと誘ったところ、「こんなのでよければ・・・」とスケッチブックを持ってきてくれました。
ポスターを描いたときのイメージのラフスケッチだそうです。こういうアイディアをメモしたちょっとした走り書きが、その人の人柄が透けて見えて、僕は好きです。
坂﨑 隆一
高校生アーティスト紹介 ①
小国パラダイスに出品してくれている高校生アーティストを紹介します。
まずは、カフェ「縁屋」に展示中の作品から。
松本みな(小国高校3年生)
タイトル:「ふるさと」 水彩・紙
松本みなさんは、中学校から高校までずっと美術部に入っていて、小国高校では今年の1年生が入部してくるまで、一人で美術部を守ってがんばっていたそうです。
昨年の小国高校フェスティバルの看板、今年の体育祭の巨大な看板などを一手に引き受け、後輩たちの信頼も絶大みたいです。
そんな松本さんには、自分の部屋を描いた水彩画を出品してもらいました。
「卒業後には離れてしまう17年間過ごした我が家に、懐古と感謝の気持ちを込めて描きました。」
そんな彼女の言葉を聞いてこの作品を見ると、細部にまで注がれたまなざしや、心のこもった丁寧な筆致に思わず落涙。
彼女のこれからの人生が豊かであることを祈らずにはいられない気持ちになります。
坂﨑 隆一